抽出(おとす)前のコーヒーの事を「コーヒー豆」と呼ぶ方は多いと思いま
す。
豆のような大きさで、豆のような形状をしている為、豆と呼ばれるようになったのだと思います。
決して枝豆のように房に入って実る豆ではないんですね。
本当は豆ではなくて、アカネ科の「コーヒーノキ」というその名の通りのコーヒーの木に実る「コーヒーチェリー」と呼ばれる実(果実)の中に入ってる「種」のことを言います。
コーヒーノキは「アラビカ種」「ロブスタ種」「リベリカ種」という品種が有名で、「三大原種」と呼ばれています。
(※詳しくは「コーヒーの品種のお話」の項目で解説します。)
このコーヒーノキは、最近では園芸ショップなどで容易にみることができますが、このアカネ科の植物は元々、常緑の熱帯性低木で学名をコフィア・アラビカといい、種をまいてから実がつくまで3年~5年くらい必要とされています。
収穫が可能な期間は約20年くらいといわれています。
コーヒーの木は品種や原産地によって異なりますがおおよそ5〜15mにまで生育します。
(※詳しくは「コーヒーの栽培」の項目で解説します。)
農園では収穫作業がしやすいように2〜3mとなるよう剪定し、樹高が調整されます。
コーヒーの木にジャスミンを感じさせるようなさわやかな香りがする花が咲きます。
その後、さくらんぼのように真っ赤に熟した実をつけます。さくらんぼに似ているので「コーヒーチェリー」と呼ばれています。収穫した実は、果肉部分を剥がされ、脱穀されていきます。
(※詳しくは「コーヒーの精選方法」の項目で解説します。)
果肉を剥くと中に種が2つ抱き合うように入っています。これが「コーヒー豆」です。
ちなみに、普通は種が2粒入っているところ、稀に丸っこい種が1粒しか入っていないものがあります。
これを「ピーベリー」と呼び、味も栄養価もギュッと凝縮されており貴重とされています。従来のコーヒーに比べ、少し高価ではありますが、このピーベリーだけを集めたコーヒーも売っていたりします。
私の個人的な好みではありますが、コロンビア産のピーベリーコーヒーは、果実を感じさせる甘酸っぱさがギュッと詰まっていて美味しいです。
機会があれば是非飲んでみて下さい。
この項のまとめ
・コーヒー豆の正体は「種」
・「コーヒーノキ」という木に実
・さくらんぼに似ている為「コーヒーチェリー」
・実がつくまで3~5年かかる。
・実を収穫できるのは約20年。
・「アラビカ種」「ロブスタ種」「リベリカ種」の「三大原種」
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