コーヒーの品種のお話

コーヒーには、大きく分けて3つの品種があります。

アラビカ種・リベリカ種・ロブスタ種の3つが「三大原種」と呼ばれています。

収穫量ではアラビカが全体の約70%で、リベリカとロブスタが合わせて残りの30%です。

この項では、それぞれの品種について説明していきます。

アラビカ種

世界で最も多く生産されており、多くの人々に飲まれているのがアラビカ種のコーヒー豆です。

「アラビカ」とはリンネという植物学者が命名したもので、アラビア産を意味していますが、現在ではアラビカ種の原産地はアフリカのエチオピア高原だと考えられており、現在でも野生のアラビカ種を見ることができます。

先の項で出てきた「カルディ」が見つけた木かも知れませんね。

アラビカ種はその名前の通り、古くからアラビア半島南部で栽培されており、そこから世界各地に移植されていきました。

現在では、ブラジル・コロンビアなどの中南米諸国、エチオピア・ウガンダ・ケニアなどのアフリカ諸国、インドネシア・インド・フィリピン・パプアニューギニアなどのアジア・オセアニア諸国に至るまで、広く栽培されています。

アラビカ種は他の2つの品種に比べて風味が優れています。ですのでコーヒー専門店や喫茶店で扱うストレートコーヒー(ブレンドしない単一銘柄のコーヒー)は、ほぼアラビカ種を使っています。

アラビカ種の栽培には、気温15~20℃、標高500~1000mの傾斜地が適しています。

強烈な日差しを嫌うため、低緯度地では日影を作るためにバナナやトウモロコシを横に植えています。影を作る木なのでシェードツリーと呼ばれています。

またアラビカ種は高温に弱く、病害虫にも弱いという弱点もあります。

一言に「アラビカ種」と言っても、その中でも約70くらいの品種があります。

現在栽培されている、代表的な品種をいくつか紹介します。

ティピカ(tipica)

1706年オランダに送られ、たった1本だけ育ったアラビカ種の木の2代目がルイ14世の手によってアメリカ新大陸に送られました。このたった1本の苗木を祖先とする品種を「ティピカ」と呼んでいます。

コムン(comun)

「普通」という意味を持つブラジルに古くから存在していた品種です。細長い中型の木で、真っすぐに走るセンター・カットを特徴とする平たい形の豆をつける品種です。

アマレーロ(amarelo)

コーヒーノキの完熟した果実は、真っ赤な色をしていますが、アマレーロという品種は、黄色い実をつける珍しい品種です。

ブルボン(bourbon)

マダガスカル島の東にあるブルボン島(現在のレユニオン島)でてきた種子がブラジルに渡ってきた品種で、その代表的なものとしてはブラジル・サントスの名前で有名な品種があげられます。

カトゥラ(caturra)

ブルボン種の突然変異種で、1915年にブラジルのミナスゼライス州で発見された品種です。

この品種は標高700m以上の土地における栽培に適しており、さび病にも強いという特徴を持っています。豆は小粒でありながら多産で隔年毎に実をつけます。

ムンド・ノーボ(mundo nǒvo)

1943年ブラジルのサンパウロで発見され、その後カンピーナス農事試験所で改良を受け、

1905年頃から栽培されるようになった品種です。

環境に対する適応性が大きく、多収穫が計れる反面、樹高が伸びやすい為、収穫作業の効率が悪くなるのが難点です。

カトゥアイ(catuay)

ムンド・ノーボとカトゥラの交配種で、ムンド・ノーボの樹高を抑えることを目的に品種改良したものです。

マラゴジーペ(maragogiepe)

ブラジルのバイア州マラゴジーペで1870年に発見されたブラジル固有のアラビカ種の突然変異種です。発見された地名から名前が付きました。種子の大きさはアラビカ種の中で最大ですが、収量は小さい品種です。

ロブスタ種

ロブスタ種は学名「カネフォーラ種ロブスタ」と命名されている品種です。ロブスタ種は19世紀末、エミール・ローランというベルギー人科学者が、アフリカのコンゴ盆地で発見した品種です。

その後、周辺諸国のウガンダやルワンダでも野生のロブスタ種の木が見つけられています。

ロブスタ種はコンゴ盆地で発見されたため、別名「コンゴコーヒー」とも呼ばれています。

ロブスタ種の主な原産国はウガンダ、トーゴ、アンゴラ、ガーナ、マダガスカルなどのアフリカのアフリカ諸国や、フィリピン、インド、インドネシアやトリニダート・トバコといった国々におよんでいます。

ロブスタ種の特徴には、低地での栽培が可能なことと、成長が早く栽培の管理に手間がかからないことが挙げられます。また、収量も多く、病害に対する抵抗力も強いです。

アラビカ種に比べると風味は劣りますが、カフェインやエキス分の抽出量が多いこと、さらに価格が安いので、アラビカ種とのブレンドに使ったり、インスタントコーヒーの原料に使われることが多いです。

リベリカ種

ロブスタ種がコンゴで発見されたのと同じ時期、アフリカ西海岸のリベリア周辺において、リベリカ種のコーヒーノキが発見されました。

リベリカ種は他の2種に比べ、最も樹高が大きく、約9mにもなります。

よく繁るので、アラビカ種に使われる日影用の作物を必要としません。さらに完熟した実の収穫に手間がかからないなど、栽培にかかるコスト的な部分が低い品種です。

ただ、本格的な収量を得るには、先の2種よりも生産年数がかかります。

 

リベリカ種はとにかく丈夫な品種で、病害虫の被害にあいづらく、干害にも強よく、低地でも生育しますので、繁殖力は旺盛です。

この特質を活かすため、コーヒーノキの栽培品種の改良用としての研究・実験に使われています。

味・風味は、というと、やはりアラビカ種には劣ってしまっているため、飲用としての生産量や輸出量が少なく、生産国での消費が多くなっています。

主な生産国はスリナム、リベリア、コートジボアールです。

この項のまとめ

・アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種が「三大原種」

・生産割合 アラビカ種70% ロブスタ・リベリカあわせて30%

・アラビカ…風味◎ ストレートで飲める。

      日差し、高温、病害虫× 

・ロブスタ…風味△ 主にブレンド用かインスタント用。

      成長が早く、収量が多い。病害虫にも強い。

・リベリカ…風味、味△ 主に現地消費、または研究用。

      丈夫で病害虫、干害に強い。

 

 

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